坂口恭平さん

311の後、まともに被爆回避を訴える著名な人を探しましたが、その数は僅かでした。ミュージシャンは原発停止は求めていましが、被爆について、避難についての緊急課題について語ることには消極的にみえました。なんなら一番危険だった時期に避難すべき区域で外に人を集めて歌っていました。
なぜだ…何やってんだ…と普通に悩みました。

まともな思考が押し退けられる非常時をまざまざと見せつけられる毎日、がれき拡散反対運動に関わって疲れはてていたある日のこと。
斜めはるか上の方から、軽やかな短パン姿の男のひとが私の目に飛び込んできました。
それが坂口恭平さん。
たてない建築家、アーティスト、文筆家。
そして新政府総理大臣。
駅前で短パンで(二回目)勝手に街頭演説を行い(総理だから)、ゼロ円でサバイブする方法、総理大臣になる方法をだらららららら、だら、だらららららとまくしたてます。速攻で福島原発の被害者を受け入れるゼロ円の避難所をたちあげ、出前迅速、いのっちの電話には彼が直接出てくれます。(かけたことはまだないけど)一年目は2000人の自殺志願者と話をして、日本の自殺者は前年より2000人へっていました。

しかもこの根も葉もある狂人はスタイリッシュ、と来ています。彼が躁鬱病の患者であることは有名だけど、セロひきのゴーシュみたいに風がふきまくってふきぬけていく感じがします。訪れるねずみは彼自身なのかな。

私は彼の政府の国民になりました。
今はその新政府はなくなったのでわたしは難民です。

元総理のトークショーは行く途中で鬱のため中止になりました。ならば、と各地方でトークショーの主催を募集していたので、伊勢の主催者になろうと申し込んだら、そのツアー自体が消失してしまいました(笑)

かように大好きではあるが縁のなかった坂口恭平さん、今回の伊勢ツアー、フライヤーを制作する運びとなりました。ラッキー。








楽しみです。

Maki Kawano

illustration / drawing Ise Mie Japan

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