佐八 sochi

昔から匿名性のあるものを格好いいと思うみたい。
アノニマス。顔を隠し同じ衣装をつけた祭りや弔いの儀式は日本各地にあって、大抵は村を練り歩いたり寺の境内でやったりする。写真は佐八(そうち)のかんこ踊り。車で20分ほど走ったところで盆に行われている。シャグマという馬のしっぽの毛でできた被り物と、ワラでできたスカート状のものを身につけ踊りながら太鼓を叩く。焚き火にじいさんらの唄。ゆかたのそでを肩まであげ、太鼓に肩肘ついてほら貝を片手でふく若衆。縞の長着がモード感高い。さすがGINZAに紹介されるだけのことはある。
カメラマンたちをのぞけば余所者はさほど多くない感じ。近所の人が入れ替わり立ち代わりやってくるだけ。祭りのときは、ムラという閉鎖された場所が呪術性を帯びた色気で満ちる。

YOSAKOIのでる幕などない。


すてき、
顔をみたい。

いやいや個であり全体であるのだ、彼らは。
個を全うして全体となった魂を清めているのだ。

「秘する花」のある祭がたくさん残って、よそ者に地団太踏ませてほしい。
足を踏み入れられないコミュニティがある地方こそ、よそ者を惹き付けてやまない魅力がある。
だからあんまり都会に出張したりしないでほしいなーなんて。

切腹ピストルズの隊長がくれたごぜさんの唄の練習を始めた。難しいな!


Maki Kawano

illustration / drawing Ise Mie Japan

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