薔薇色の頬

この秋は大地の再生に所属してるタイガのおかげで
ずっと実がならなかった柿の木にたくさん実が付いた

3本か4本あってオレンジがずっと庭にあるなんて素敵よ

周防大島の生命ラジオつながりでやってきた枝豆とささげの種
熊野の良心はしもとやのたったんからいただいた落花生の種

全部実がなって超うれし、わたしにもできた

ひとりでカチカチの土を掘って 
何もわからないから恥ずかしくて人が通るたび隠れてコソコソ耕した

まだはじめてのこといっぱいある
知らなかった感情もまだあるのやろ
そんな色々でこのちびこい身体を満たして浸してなめして
さらさらした心になれ 泥団子に砂をかけぃ


こないだ20年以上一緒に働いていた美しい人が亡くなって
たくさん泣いた 私が知っている大人の女性で一番きれいなひと 

肌が透けるようにうすくて輝いてて

いつもうっとり見ていた 
数学をいつも教えてもらっていたから今本当に困ってますよ、せんせ
数Ⅲは先生担当でしょいない間数学がんばって教えてましたよ

会いたいですさびしいです

いつも目をキラキラさせて頬はばら色で 控えめなのに華やかで

最後に無理言って会わせてもらった  はじめて頬を触ったんだ 
青磁みたいになめらかでやわらかくて
そしてとてもつめたいんだもん泣いちゃうよ


次の日に畑でちまちましたことをしていてふと顔上げたら
首がすうっと美しい山鳩が目の前にいた 
びっくりして「わ!」っていったけど逃げる様子もない

小首とかかしげてなでられそうな距離でじっとしてて

思わずせんせい?て聞いたら

くるっと後ろ向いて芭蕉の木の陰ですん、と座っていつのまにかいなくなっていた

パパかなせんせかな もうちょっといてほしかったな






 






Maki Kawano

illustration / drawing Ise Mie Japan

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