生命ラジオ

生命ラジオから聴こえるのはいつだって希望

流動する世界で猛ダッシュしたり失速したり

時には一時停止する私の傍らで

あくまでもミドルテンポをキープしているその声の主は

京都から独立研究者森田真生さん、そして山口県周防大島から中村明珍さん


アカデミックな世界を悠々と泳ぐ若き研究者の森田さんと
メンバーそしてお客さんからもギリギリを求められてきたであろう
銀杏BOYZのギタリストチンさん
一見繋がらなさそうなお二人の対談が最近100回を超えた


生命ラジオは世界情勢や環境についてひりひりするような内容にも触れる。
このラジオには不思議な場の力が確かにあって

森田さんが教えてくれる世界の歪みも厳しい未来への考察も
なぜか抵抗なく耳に入ってくる。
鍬を柔らかい土に深くひといきに入れるみたいな感じ

リスナーである私たちは希望と絶望とを同量処方されているけど
力強く選択していくだけの自由をなぜか手に入れたような気がしてしまう

それぞれ土をいじりながら
あるいはお風呂につかりながら

猫を吸いながら

子どもがねしずまってから

それぞれのタイミングでひっそりと耳を澄ます

最新の論文がジャンルを問わず森田さんの言葉で聞けるとは僥倖、そして
私たちを置いていかないようにチンさんが相槌をうち、さらに問を重ねてくれる
言葉が大切にされている場はそれだけで素晴らしいし、ここは沈黙すら大切にされている

この2年危ういときがたくさんあったけど

土にまみれたイヤホンからは波の音がして
今聞きたかった言葉がいつだってそこにありました
ほんとにすごいラジオだと思います
みんなも聞いたらいいのになー






Maki Kawano

illustration / drawing Ise Mie Japan

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