太鼓のこと1

2014年の8月に友達を川遊びに誘いに行く途中、前からたいしくんが車でやってきた。
ランチするはずの店が移転してて道に迷ってるとのこと。
後部座席にちょこんと座った女の人は明らかにここらの人ではなくておーら全開だった。
移転先まで案内した私をすってきな笑顔でぎゅっとハグしてくれたその人は、東京の和太鼓チームGOCOOのkaolyその人だった。全然知らなかった私はたいしくんに「太鼓うたへん?」と言われて「今日暇やでええよ~」と気軽に猿田彦に遊びにいったのだ。

のちのち知ったのだけど 3.11の後の東京で、gocooで練習のために集まってもkaolyは太鼓を打つ気にならない日々が続いたそうだ。その虚脱状態から復活したあとにできた「eleven」という曲を、東京だけではなくて、「伊勢」でも打ち続けてくれる人たちを探していたとのことだった。なぜ伊勢なのかはkaolyさんにしかわからないところなので勝手なことは書かないけど。かなりせっぱつまっていたと想像できる。
だってフェスで出会った一人のファンが伊勢に住んでいて太鼓を打ってるという情報だけで、うまいんだかへたなんだかチームなのか何なのかも知らずに飛んできたのだから。

ところが集まったのはたいしくんがかき集めてきた「一回も太鼓打ったこともなく」「その日たまたまヒマだった人」だけだった。私もその日のランチの道中に拾われたってわけ。

そんなことを知らない私は1時間くらいかと思った練習が5時間たっても終わらないことにそろそろびびりはじめ、謎の振り付けに「なんだこれー!」と不安になり、「いつ帰れるんだろ」とちーんとなっていたのでした。それでも香さんの太鼓をたたく体の動きに圧倒されて、そのころはじめていた整体からの興味もあって「この人何なんだ、なんかすげえ」と最後まで残ってしまったのだった。


花とミサイル

         illustration / drawing / livepainting 河野マキ MakiKawano

0コメント

  • 1000 / 1000