Mr.Summer time

初めて古和浦漁港に行ってきました。
細い路地の奥で紀子さんが待っていてくれました。この小さな浦は、国策である原発建設をめぐって賛成派反対派に分断されたまま50年以上放置されています。真夏の太陽に照らされたその古和浦に立ち、心がジリジリ焼けていくような焦りを感じました。

久しぶりに会う紀子さんはパートナーの3ちゃんを昨年海で亡くしなんだか少し小さくなってしまったように感じました。前日に受けた取材のあとに涙が止まらんかったの、と目を腫らしながら笑顔で迎え入れてくれました。

さんちゃんおらんよになてしもた、
という小さな肩をさすりつつたくさんたくさん話をしました。古和浦で原発反対を貫いたために孤立したさんちゃんは、よく隣の方座浦の喫茶店に来ていました。三枚目の写真の席によく座っていたのです。

この芦浜原発を止めた町という石碑は古和浦ではなく方座浦にあります。古和浦の分断は深刻な状況で、この碑を建てることが住民感情として出来なかったと聞いています。
2枚目の写真の坂の上から数百名の機動隊が夜明けとともにざ、ざ、ざ、と足音を響かせて降りてきたときの恐怖は未だに忘れられないと紀子さんは私を案内してくれました。
近隣の漁師や母親らが2000人集結したと聞いていた場所の小ささに驚きました。2枚目の写真の道路は機動隊と住民がひしめきあい、怒号と泣き声が響き渡ります。

紀子さんの焼いてくれたお魚を食べ、なんだか紀子さんをここから連れ出してあげたいような、そんな気持ちになりました。
そして次の日に私はまた古和浦へ。

続く!

花とミサイル

         illustration / drawing / livepainting 河野マキ MakiKawano

0コメント

  • 1000 / 1000